シングルマンとトムフォードは隙が全てにおいてない

映画「シングルマン」には、美意識に徹底して律せられている世界があります。
ファッションデザイナーでもある映画監督の初めての映画である「シングルマン」というのは、ファッショナブルなこれまで観たことがないようなものです。
映画「シングルマン」は、衣装だけでなく、インテリア、小物、若手の美しい俳優まで、隙が全てにおいてないものです。
特に主人公を演じたコリン・ファースのかけているトムフォードの眼鏡は、怖いくらい映画にマッチしています。
そして、最もびっくりしたのは、恐怖・愛・絶望というような感情の人間臭いものが、丁寧にプラチナのひんやりと輝いている美しさの中に封じ込んでいるというような、意外なその「熱」があることです。
映画「シングルマン」における主人公の大学教授ジョージは、ボーイフレンドの16年間一緒であった人を亡くして、深い絶望と喪失感を抱きながら毎日を過ごしています。
映画「シングルマン」は、丁寧に、死をその日の最後に迎えることを決心した主人公の最期の1日を追ったものです。
このような魅力が映画「シングルマン」にはあります。

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